日本の家と外国の家の違い
日本の家と欧米の家の違いを一口で言えば「断熱性の違い」です。
1970年頃までは日本の家も欧米など先進国の家もどちらもほぼ「無断熱」に近い建物でした。その後、1973年にオイルショックが起こり、欧米ではエネルギー消費を抑えるためにどんどん家の断熱化を進め、現在では日本とは桁違いの断熱性能を有するまでになり、1970年台と比較すると現在の欧米の住宅はランニングコストが約3分の1にまで下がっています。
日本では、2011年に東日本大震災で起きた原発事故をきっかけに、エネルギー使用の重要性から住宅の省エネ化が求められ、ようやく2020年に一定の基準が設けられました。ところがその基準の最高ランク(ヒート20 G3クラス)基準でさえ、欧米の1988年当時よりも下回っている低い性能値です。今、日本で新築されている住宅の約6割が、その欧米の1988年当時の断熱性能ですら満たしていません。
現在日本では、壁や窓などの断熱性能を国が地域別に省エネルギー基準を規定しているものの、義務ではなくあくまで目安にすぎず、基準以下のほうが圧倒的に多いのが現状です。
その断熱性の悪さから年間にヒートショックで亡くなる人が19,000以上おられ、これは交通事故の死亡者数の約6倍にもなっています。しかし、欧米諸国に遅れながらも今年の10月から住宅性能表示における断熱等性能等級の「6」「7」にUPした基準がスタートいたします。
また、このところ全国各地で頻繁に地震が発生しています。1995年に発生した阪神大震災で亡くなられた8割の方が、家が潰れたり傾いたりした原因で亡くなられています。この地震をきっかけに住宅の耐震性にも基準が出来て、耐震等級(最高等級は3)が問われることになりました。
さらに富山県は積雪地区に指定されており耐震性能を表示する場合、積雪時の建物に係る荷重も考慮しなければなりません。 積雪荷重がどのくらいか分かりやすく例えると、積雪1.5ⅿ(新雪ではなく数日の降雪で固まった状態)積もると屋根1㎡あたりに普通乗用車2台が載っているのと同じ荷重が掛かっていることになります。耐震計算は、積雪時に地震が発生することも計算に入れなければなりません。
これから住宅を検討される場合、どうしても一目で分かりやすいデザインやインテリアに目が行きがちです。建物は「安心」「安全」「快適性」の器です。各基準がはっきり表示されている長期優良住宅、耐震等級、断熱等性能等級などをしっかり確認して後悔の無い家作りをしてください。
営業部 松浦