住宅にも、『IoT』化の波が進んでいます。
最近見かける言葉に、『IoT』(アイオーティ=internet of things=物のインターネット)というがありますが、みなさんご存知ですか?
『IoT』の言葉を説明すれば、「コンピューターなどの情報・通信機能だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと」となります。
もう少し分り易く言い換えれば、今迄は人間がパソコン類を使用してベータを入力しインターネットを介して情報を共有していたのですが、これからは様々なモノにセンサーと通信機能を持たせることで、稼働状況や故障個所、交換が必要な部品などを製造元がリアルタイムに把握できる事になります。(人を介さずに、様々な情報がインターネットを通じて自動的に集まる仕組みで、これらのデータを称してビックデータと呼ぶそうです。)
飛行機のエンジントップメーカーのゼネラルエレクトリック社や、建機メーカーの小松製作所などは、世界で動くエンジンや機械の状況をセンサーとインターネットを通してリアルタイムに把握していると聞いています。
「人間の目視や経験によるチェックは時代遅れ。ビックデータを活用した時代が始まる。』という事のようです。
住宅にもHEMSというシステムがあります。家の中にある設備の稼働状況をチェックするシステムで、省エネの機運が高まる中で、エネルギーの見える化・エネルギーの最適化システムです。しかし、これは省エネという限られた分野のシステムでしかありません。
では、住宅の『IoT』がすすむとどうなるか??
例えば電気メーカーで、こんな実験がされています。
『玄関ドアに生体情報を取得できるセンサーを設置。ハンドルを握り室内に入る際、ハンドルが対応や脈拍などの生体情報を取得し、家族全員の健康状態や予定を玄関の壁面に表示する。さらに、取得された生体情報については、ネットワークを介して冷蔵庫に送信。家族の体温と冷蔵庫の中の食材を基に、推奨する献立メニューを冷蔵庫の表面に表示』(これは三菱電機スマートホームの実験コンセプトで、下の写真は三菱電機の実験棟の実際の写真です。)
ほとんど、SF映画に出てくるような話ですね!ビックリ!
こんな事が必要かといえば疑問ですが(笑い)、今の私たちが思いつかないようなシステムが生まれる予感がします。住宅業界、決してビックデータ-の波からは逃れられないと思います。
あと10年もすると、住宅というハードの概念が変わり、住宅の風景も大きく変わるような気がします。
(記:小池英樹)