2020年 省エネ基準適合義務化について考える
社長の小池です。
ゴールデンウィークも終盤となりましたが、春から初夏に向かうこのシーズンは私の一番好きなシーズンです。
自宅周辺の呉羽山の木々が新緑に包まれ 生命の息吹を一番感じるこの頃は、体も心も前向きになります。
さて、先日業界新聞に下記の記事が載っていました。
2020年見据える『省エネ基準適合義務化』
小規模木造は基準クリア50%
多様性と省エネ性能の両立が課題
この記事(「省エネ基準適合化」)は業界の現状を伝える記事なので、ブログを読んでいらっしゃる方々には直接関係はない記事ですが、我々業界人としては大変悩ましい問題です。
1.省エネ基準とは
省エネ基準の義務化とは、2016年5月の「2020年までに新築住宅について省エネルギー基準への適合を段階的に義務化する」ことを決めた閣議決定から対応が始まりました。(建築物省エネ法)
この法律ができた背景には、エネルギー問題があるのですが、住宅に関しては断熱性能が諸外国から見てかなり劣っているという現状から、
①熱が最も逃げやすい窓の性能強化(結露対策)
②壁の断熱性能強化(ヒートシック対策)
③断熱性能向上による冷暖房費にかかるエネルギー削減(省エネ住宅地)
を強化し、
新築住宅建設にあたっては、規模によって
①大規模建築物(非住宅) 適合義務化
②大規模建築物(住宅)&中規模建築物 届出義務化
③小規模建築物 努力義務
の対策を2020年に義務化しようという流れになっています。
2.義務化の現状
上記の記事の表から分かる業界の省エネ基準適合の現状ですが、
①全体の適合率は53%(注文住宅54%で建売住宅43%を上回る)
②住宅会社の施工規模で対応が分かれる(年間4棟以下は39%)
という事が判明しました。
3.ハウスラボの省エネ基準の取組み
私は住宅会社の社長という立場から、様々なところで住宅論議に参加する事が多いのですが、一般論として、特に富山県人の住宅の最重要課題「省エネ問題+耐震問題(今回のブログには触れませんが)」の認識はかなり低いように思います。
極論すれば、
①省エネ問題は、断熱材の有無とサッシはペアガラス有無で判断
②耐震化問題は、富山は地震が来ない県なのでそこそこで良し
に近い認識です。
一方、住宅を建てる我々業界もこの認識に甘んじて、
「住宅の設計・施工に携わる事業者が省エネ技術に十分習熟していない」
と指摘されています。
住宅取得には様々な要素が複雑に絡みなすが、
資産価値として「省エネ問題や耐震問題」が今後最も重要視するポイントになることは間違いありません。
戸建住宅(小規模住宅)の省エネ基準は、今の所「努力義務」となっている点を含め、私はこの状態に
「喝!!」
業界は、
・罰則のない努力義務を果たすべく省エネ基準達成に業界の努力
・住宅の取得の有無に関わらず省エネに対する世間の認識を変える努力
を惜しんではならないと思います。
更に当社では、
・省エネ基準の努力義務は住宅の最低限のレベル
・もっと上の省エネ水準を目指すのが企業としての使命
と思っています。
当社では、省エネ義務化の基準に対して下記の基準を定めています。
項目 省エネ基準⇨当社基準(ZEH基準)
外皮基準 0.87 ⇨ 0.60
1次エネルギー適合基準 100% ⇨120%
2018年度予算では、住宅関連の省エネ支援関連施策が目白推しです。
又、省エネ関連の改正も進むかと思います。
私も、このブログをはじめ様々な機会を通して我が社なりの情報発信に努めたいと思います。