コロナの時代に、鵜匠の生き方が凄い!
社長の小池です。
新型コロナの勢いが止まりません。
イギリスでは、ワクチンの承認が承認され8日からワクチン接種が始まるというニュースが流れていました。
一方、ドイツではロックダウンを実施しているのですが、効果がなく1ヶ月延長するとのニュースもあります。
日本においても東京の感染者数が連日500人超え、大阪では独自に設けた「大阪モデル」で「非常事態」を示す赤信号が点灯されました。
マスク着用や手洗いが一般化してきているように思いますが、この対応では限度があるのか?素人の私には分かりませんが、いつも言っているように「正しく恐れる」の姿勢で、これからも望みたいと思います。
先日、雑誌「express 12月号」の私の好きな高橋源一郎氏のコラム「エウレカ!(我、発見セリ)で、金井真紀さんの新作『はたらく動物と』という本が紹介されていました。
金井さんは、我々叔父さんの生態を、かっこよく渋く描いてくれる達人だそうです。
(「パリのすてきなおじさん」(柏書房)、「酒場學校の日々」(浩星社)のタイトルからも、想像が広がります)
当然、今回の新作も「はたらく動物と」の後に、「おじさん」がついている本だそうですよ。
その中の、長良川の鵜匠「山下純司」が紹介されいます。
鵜匠は世襲制で、山下さんは当たり前に鵜匠になられています。
(これからは、書写しです)
「わしの話を聞いて、本にするのけ。わしは本は読まん。ぜんぶ鵜から学んどるで。本を書く人間や学者先生なんてもんは、みんなたわけじゃ思うとる・・略・・わしは本は読まん。人の話も聞かん。鵜からいろんな事を聞く。そういう生き方や。人間同士で生活しとると、だんだん心が縮んでってしまう。うつ病とかなあ。他の生き物はそんなことになっとれん。もともとな、学校や宗教があるのは人間だけやからな。ほかの生き物は学校も宗教もねえけどちゃんと健康に生きとられる。ちゃんと子孫が作られる。そういうふうになっている。」
確かにと思う!!
「(野生の鵜がやってきて)最初の3ヶ月、毎日頭からお尻までこうやってなぶってやると、だんだん人間のことがわかってくる。おれの役割はこういうことか、とわかってくる。ほかの鵜からいろいろと話を聞いてな。それで、おれも一生ここにおる、と腹を決めてくれるわけや。そうして一緒に生活していけることになる」
人との関係は、こうありたいなあ。
「鵜飼の鵜は25年くらい生きるという。そして死ぬ間際まで仕事をする。若いときは片足で立てる鵜が、年をとるようになると両足で立つようになる。そして最後は立てなくなってしゃがむ。しゃがむと食欲がなくなり、それから1週間で死ぬ。」
山下さんは、これが理想の生き方と力説する。
「わしもそうするつもりや。最後まで自分の体をこき使って、体がえらくなったら布団敷いて寝転んで、心配したうちの人間が医者を呼ぶ。医者は帰り際に「三日が境です」と言うんや。で、三日目に死ぬ。それが鵜に教わったわしの死に方。
年とって死ぬことは怖くないわ。99パーセント自分を使い切って死ねば悔いはないやろ。くだらんこと考えとるから怖いんやろ。それが本来の自然界のスケジュールなんや」
高橋源一郎氏も書いていますが、山下さんに脱帽です。
コロナ禍の中、色々なニュースが流れてきます。
情報が溢れ、何が真実なのか、何が必要なのか、
わからなくなる事が多いです。
コロナ禍の答えが鵜匠の生き方にある訳ではありませんし、
特に若い人は反発も多いかもしれませんが、
ニューノーマルの時代に向かう中で、
人間が忘れていた本来あるべき姿が鵜匠の言葉の中に垣間見れたような気がして、
ご紹介させて頂きました。