「低温は万病のもと」と家づくり
社長の小池です。
昨今、住まいと健康に関わる研究が盛んに行われています。
イギリスには、
イギリスの副首相府・英国建築研究所が開発した住宅の安全性の評価システム、
「HHSRS」
(Housing Health & Safety Rating System)
という指針が有ります。
(2006年4月 イングランドウエールズで施工)
室温 状 況
21℃ 健康な温度
19℃ 健康リスクが現れる温度
18℃ 室温が18℃を下がらないと
一般に寒さは感じない
16℃ 深刻なリスクが表れる温度
↓
10℃ 高齢者に低体温症があらわれる温度
と、かなり厳しい水準のように思いますが、
世界の潮流からいえばこれが当たり前とも言えます。
室内の温度差による心筋梗塞や脳梗塞 いわゆる「ヒートショック」で、
風呂場で倒れて亡くなった人は2015年で4,866人です。(消費者庁 発表)
この数字は、救急隊が着いた時点で亡くなった人の数で、
救急搬送されたあと病院で亡くなった人を含めると、
17,000人になると推計されています。
更に、低温の影響で心臓発作や脳梗塞といった循環器系の疾患をはじめ
様々な病気にかかって亡くなる人は、
国内で推定12万人にのぼると判断されています。
更に、断熱性能の高い新築住宅に引っ越した事で、
①気管支喘息 ②のどの痛み ③せき
④アトピー性皮膚炎 ⑤手足の冷え ⑥肌のかゆみ
⑦アレルギー性結膜炎 ⑧アレルギー性鼻炎
の症状が改善された割合が高いアンケート結果もあります。
これらの事から、ヒートショックもさることながら、
住宅の低温による健康障害のリスクも十分考える必要が有ります。
「低温は、万病のもと」
ではないでしょうか?
一方、日本人の精神性を大事にする気質から、
寒さによって心身を鍛える・丈夫になる
と、お考えの方も少なく有りません。
寒中水泳や乾布摩擦など、極寒の中での習練は
精神性の満足感はあるかも知れませんが、
これらは日常的な生活習慣ではありません。
むしろ、人は家で無意識に暮らすのであり、
無意識状態で低温にさらされる事による健康障害を
もっと意識すべきでないでしょうか?
特に、冬の夜に暖房を切って寝ることにより、
冷たい空気を吸い込み肺や内臓、身体を冷やし、
身体の中から継続的に冷えが健康に影響をあたえることは十分に予想されます。
いずれにしても、住宅の新築・リフォームどちらでれ、
断熱性能については十分に検討することが重要と思われます。