北海道胆震東部地震の液状化被害報告
社長の小池です。
本年9月6日に発生した北海道胆震東部地震は、昨年の熊本地震もそうですが、
この日本は地震大国であると言う事を改めて感じさせる出来事でした。
私たちが住んでいる富山県で発生した大きな地震は下記の通り。
1586年(天正13年)天正地震
1858年(安政5年) 飛越地震
明治以降 日本各地で発生した地震の影響を受けた事もありますが、
富山県は地震に対する被害は比較的少ない県と言えます。
只、昨今の地震の発生状況から考えると、
日本は何処に住んでいても決して地震からは逃れられないという事を、
常に意識する必要があるかと思います。
そうした中、ジャパンホームシールド(=JHS 地盤調査・検査を手掛ける)が、
北海道胆震東部地震を独自に被害状況を行い、このほど調査結果を公表しました。
戸建て住宅で地盤沈下や液状化の被害が多発した札幌市の里塚、清田の2地区については、
更なる詳細な調査を実施しています。
同社の調査結果で、
「地震被害のキーワードの3点
①火山灰 ②降雨 ③谷埋め盛土
この3条件に
「地震」が重なった事で、
地盤沈下や液状化といった被害が引き起こされたと推測」
としています。
同社の調査によれば、
①火山灰
両地区の地盤は周辺一体と同様で、支笏火山などの噴火による火山灰が堆積して形成されている。
火山灰の土粒子は多孔性性のため砂と比べて非常に軽く、粉砕しやすいうえに、流動化もしやすい特性がある。
②降雨
降雨については、地震発生前日まで降雨量が多く地盤は緩んでいたものの、降雨だけが原因で土砂崩れや地すべりがおきるレベルには至っていなかった。
降雨による地下水位の上昇が地盤の緩みにつながり、災害の一因になったと見られる。
③谷埋め盛土
谷埋め盛土は、丘陵地を住宅建設用地とするために、凸凹を切土・盛土で平坦化(切土=土地を削る作業、盛土=土地を埋める作業)することによりできる土地。
地盤は切土した土で、へこんだ場所を埋め立てることによって出来ている。
谷埋め盛土の地下水の集まりやすいリスクを指摘し、盛土底付近の流動化があった。
と、被害の原因を結論つけています。
更に、被害が多発した場所と「切土・盛土分布」と個別の被災建築物の結果を重ねることで、
・清田地区と里塚地区では、谷埋め盛り土エリアで、液状化による建物の被害がより大きかった事が確認
・清田地区については「一般的な液状化被害」と分析
・里塚地区については盛土の下の旧河道付近にある軟弱な火山灰の土質が被害拡大の要因となった
としています。
同社では、被害がより大きかった谷埋め盛土のリスクとして
①地震 ②土と水による影響
を、あげています。
①地震
・軟弱地盤での地震波の増幅
・地震波の波長と盛土厚の関係で生じる「共振」
・谷間に地震のエネルギーが蓄積しやすいこと
の要因で、「計測震度より大きな揺れが生じる可能性もある」と指摘
②土と水による影響
・火山灰による盛土は締め固めが難しい
・火山灰は軽いために浮き上がりやすく、土粒子が劣化しやすい
・地形的に周辺の水を集めやすく、降雨後は地下水位が高くなりやすい
この様に見てくると、今回の北海道胆震東部地震の液状化被害の特殊な事情も見えてきました。
したがって、むやみに悲観する必要も無いように思います。
只、狭い国土の中で、全ての住宅が最適な土地に建てる事も難しいのが現状とも言えます。
土の中は、誰も見ることが出来ません。
経験豊富で様々な情報を持つ信頼できる会社と、
慎重な地盤の検討が必要かと思います。
当社では、今回の地震調査報告をだした
ジャパンホームシールド(JHS)社
に、地盤調査&地盤分析 及び 地盤保証保険を付保を依頼しています。
「家づくりは、先ず地盤から」
そんなことを強く感じた北海道胆震東部地震の報告でした。
(参考資料:新建ハウジングプラスワン)