国交省:住宅の断熱化と住居者の健康への影響調査
社長の小池です。
先日国土交通省の資料を見ていましたら、
「スマートウェルネス住宅等推進事業 第2回中間報告」というのを発見しました。
国土交通省が、平成26年度から住宅の断熱化が居住者の健康に与える影響を検証する調査支援を行っており、
昨年1月に第1回中間報告 今年の1月に第2回中間報告を行ったそうで、今日はその内容をお伝えしたいと思います。
第2回中間報告は、断熱改修を予定する全国約1,680軒、3,441人の改修前調査を実施するとともに、
断熱改修を実施した住宅について403件、676人の改修後調査を実施し、
「改修前後における、居住者の血圧や生活習慣、身体活動量など健康への影響」
を調べました。
下記の表は、男性 年齢別の起床時の室温(横線)と収縮時血圧(縦線)の変化です。
室温の変化と血圧の変化を見ると、
室温20℃から10℃に下がると
30歳 血圧4.5mmHg上昇
60歳 血圧8.5mmHg上昇
80歳 血圧11.2mmHg上昇
の変化が見られ、高齢者ほど家の寒さが健康に影響を与えている事がわかります。
今回の中間報告で、得られつつある知見として下記の通りの報告されました。
①個人属性、生活習慣、室温から血圧を推定するモデルを作成。起床時の室温の低下による血圧上昇への影響は、高齢になるほど大きい
②室温の低い家に住む人ほど、起床時の血圧が高血圧となる確率が高い
③室温の低い家に住む人ほど、動脈硬化指数と心電図異常所見が有意に多い
④断熱改修後に起床時の血圧が有意に低下
⑤就寝前の室温が低いほど、夜間頻尿リスクが有意に高い
⑥断熱改修後に夜間頻尿回数が有意に減少
これらの知見からは、
「住宅の室温と健康には有意な関連性が見られる」
という事は、疑いのないようです。
我々住宅業者は、新築であれリフォームであれ「断熱」を訴えています。
例えば、サッシの性能で「ペアガラス」「トリプルガラス」「樹脂サッシ」の有効性は、
室内側の結露防止などを第一に考えてしまいがちですが、
それ以上に「断熱=健康」の重要性のある事を十分に理解する必要があるようです。
断熱性能は、「UA値」という数値で性能を確認できます。
UA値とは、下記の通りです。
日本語:外皮平均熱還流率
定義:建物内外温度差を1度としたときに、建物内部から外界へ逃げる単位時間あたりの熱量(換気による熱損失を除く)を、外皮等面積の合計で除した値。
(外皮とは、熱的境界になる外壁・床・天井・屋根・窓・ドアを指す)
以前でしたら、断熱材やサッシの仕様部材で断熱性能を判断していましたが、
現在では仕様部材をベースに熱損失量から断熱性能を判断する時代になりました。
これから住宅を考えていらっしゃる方、断熱リフォームを考えていらっしゃる方、
「断熱=健康」「断熱=数値」
が基本です。
断熱について、なんなりと当社にご相談いただければ幸いです。