地球温暖化対策と木材
社長の小池です。
2月・3月は杉の花粉症のシーズン。
花粉症の方は、これから厳しい花粉症対策の日々になります。
となると、
悪者は杉花粉
⇒ その杉花粉を作っているのは杉
⇒ 従って、一番の悪者は花粉を作る「杉」
となってしまいますね。
その悪者「杉」が実は大切な役割を演じていると言う今回のブログです。
全世界的に問題になっているのが地球温暖化、その様々な原因の中でCO2(二酸化炭素は)は最も影響が大きいと言われています。
その二酸化炭素ですが、産業革命以降、化石燃料の使用が増え大気中の二酸化炭素濃度も増加しています。
昔習った化学式で、
化石燃料である炭素(C)と、焼却を行うときに必要な酸素(O)が結びつき
C + O2 = C O2(二酸化炭素)
ができると言う事になります。
先ほども書きましたが、産業革命以降 化石燃料に使用により二酸化炭素の濃度がましたと言うことは、産業革命以前は、炭素(C)は化石燃料に閉じ込められていたと言うことになります。
例えば、産業革命以降使用が増えた石炭は、太古(数千年前から数億年前)の植物が完全に腐敗分解する前に地中に埋もれ、地熱や地圧長時間受けて石炭化したもので、石炭の中には、太古の昔からの炭素(C)が閉じ込められていたのです。
数千年から数億年かけて食物が炭素(C)を体内に取り込む作用を可能にしたのが、これも私たちが昔学校で習った「光合成」と言うシステム。
光合成とは、食物が太陽のエネルギーを使って、二酸化炭素と水から酸素を空中に吐き出し、炭素は植物内にとどめる事です。
地球上酸素は、全て植物などの光合成で作られ、その量は年間約2600億トン。
地球上の大気中の酸素量は 約1200兆トンなので、役4600年かかって酸素が全て循環気質するわけですが、産業革命以降、燃料の消費と植物伐採により地球上の循環バンランスが崩れ始めていると言うことになります。
従って、花粉症で悩まされる「杉」ですが、地球環境の観点からは、炭素(C)を取り込み酸素を供給する大変貴重な存在といえます。
又、光合成ですが、樹齢によって効率が違います。
樹齢が若いほど、光合成による炭素の固定化の率は良いようで、樹齢が増すにつれ固定化率は下がります。
子供の知識の蓄積と、加齢によって知識を覚えるより忘れが多くなる私の年代を重ね合わせて思うと、人間も「木」も一緒という現実にビックリ。(冷や汗)
その木材ですが、樹齢60年から100年で伐採して建築材料としてし使用し、伐採した後は植林をして新たに木材を育てると言うのは、これは食物連鎖とCO2対策の観点からみても非常に理にかなった事になります。
更に、薪(まき)としてすぐ燃やしてしまえば、せっかく木材に蓄えた炭素(C)が二酸化炭素として空中に拡散されます。
木材を住宅の材料として使えば、炭素(C)は空中に排出される事なく「木」から「建築材料」として形を変えて存在します。
更に、「建築材料」としての木材はいずれ焼却の運命にありますが、
木材が長寿用の住宅に使われれば、それだけ長い期間、炭素(C)は建築材料として閉じ込められる事になります。
かって、日本の住宅の寿命は30年。
作っては壊しを繰り返してきましたが、無駄に二酸化炭素を排出してきたとも言えます。
長期優良住宅で長く住み続ける住宅は、
地球にも、二酸化炭素対策にも非常に役に立っていると言えます。